文献詳細
原著
拡大僧帽筋皮弁による上顎癌術後(血管吻合皮弁利用不能例)の2次再建
著者: 提箸延幸1 大門路子1 安岡義人2 清水祐二2 豊田晴代2
所属機関: 1前橋赤十字病院形成外科 2群馬大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.753 - P.756
文献概要
頭頸部の術後再建では血管吻合による皮弁の移植が有用であるが,2次再建例では初回手術時の頸部リンパ節郭清や抗癌剤の動注療法などによる軟部組織,血管系組織への障害により,再建術式が限定される。僧帽筋皮弁による腫瘍切除後の頭頸部,頭蓋底部の再建例がすでに報告されているが1〜3),術式の限定される2次再建例でも有力な術式と考えられ,特に眼窩内容摘除を伴う上顎部の広範な組織欠損例に対して皮弁領域を拡大した拡大僧帽筋皮弁4)が有用である。しかし,安全に作成し得る皮弁の範囲が不明確で問題を残している。このような上顎癌術後症例の口蓋,鼻腔,眼窩の同時再建を目的として,拡大僧帽筋皮弁による再建術を行ったので報告する。
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