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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科64巻11号

1992年10月発行

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 症候群事典

I

ページ範囲:P.74 - P.74

文献概要

immotile cilia症候群
〔同義語〕dyskinetic cilia症候群,ciliary dys-function症候群,primary ciliary dyskinesia,Kartagener症候群
〔特徴〕身体内の線毛や鞭毛が系統的に障害される疾患である。1975年にAfzeliusらは,男子不妊患者で生きてはいるが,動かない精子の鞭毛中に超微細構造の異常の存在を認め,dynein arms欠損による精子鞭毛運動障害を報告した。線毛や精子鞭毛のdynein armはATPase蛋白よりなり,線毛や鞭毛の運動に重要な働きをしていると考えられており,1977年にEliassonらが身体中の線毛や鞭毛の系統的な観察から類似の構造異常を見いだして,これをimmotile cilia症候群と提唱した。しかし,最近の検索では線毛運動が喪失した例は少なく,運動性は保持されているものの,同一細胞の線毛間でも協調性が失われたり,多方向性を示す例が多いことが指摘されており,primary ciliary dyskincsia (原発性線毛運動不全症)という概念も提案されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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