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原著
化学療法後に特発性血小板減少性紫斑病を合併した舌癌の1症例
著者: 矢後忠之1 尾崎桃子1 小勝敏幸1 山崎健1 持松いづみ1 佃守1 澤木修二1
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.847 - P.851
文献購入ページに移動近年,頭頸部癌の治療として化学療法が繁用されている。なかでもシスプラチン(CDDP)と5-Fluorouracil(5-Fu)を併用するCF療法は奏効性の高い化学療法と考えられている。
このCF化学療法の主な副作用としてはCDDPの腎毒性,消化管障害,大量の5-Fu投与による口内炎,骨髄抑制,心毒性が知られている。今回,CF療法をinduction chemothcrapyとして用いた舌癌の症例で,従来の5-Fuで誘発される骨髄抑制とは異なった著明な血小板減少症をきたし,さらに特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic throm-bocytopenic purpura;ITP)を合併した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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