icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科64巻13号

1992年12月発行

トピックス メニエール病の診断と治療

メニエール病治療の効果判定

著者: 青柳優1

所属機関: 1山形大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.885 - P.889

文献概要

 はじめに
 メニエール病の診断には厚生省特定疾患メニエール病調査研究班によって明確な基準が示されているが,治療法は保存的療法でも手術的療法でもさまざまな報告がなされていることからも判るように,必ずしも確立しているとはいい難い。その理由として,病態や背景因子の解明が必ずしも十分ではないこともあげられるが,主症状であるめまい自体が極めて心因性要素の強い主観的症状であるため数量化しにくいこと,臨床経過が個々の症例によりさまざまであるばかりでなく,発作期と間歇期の間に規則性がなく,極めて不規則な臨床経過をとることが多いため,発作間隔の監視が必ずしも正しい治療効果判定の指標とはなりえない場合があることから,治療法について論じる場合に最も大事な治療効果の判定基準に問題があったことも理由の1つとしてあげられよう。
 めまいの治療効果判定基準として,国際的には1972年に提唱されたAAOO1)や,1985年に提唱されたAAO-HNS2)の判定基準がある。これらは学会の定めた判定基準ではあるが,さまざまな問題点が指摘されている。国内的には上村3)(1977)や徳増4)(1985)の基準があるが,これらはAAOOやAAO-HNSの判定基準と違い,必ずしも日本平衡神経科学会において公式に認められているわけではなく,また,これらにもさまざまな問題があるようであり5),国内的にも国際的にも汎用されうる統一的な基準がなかったともいえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら