文献詳細
トピックス メニエール病の診断と治療
文献概要
はじめに
メニエール病はめまい発作,低音部を中心とした変動する感音難聴,耳鳴の三症候を呈し,特発性内リンパ水腫を有する疾患と定義されている。亜型としての蝸牛型メニエール病はめまい発作を欠落している。
メニエール病の発症機序については今日まで,多数の学説が提起されてきているが,いまだ解決していない。解剖組織学上から見る内耳はマクロ的に骨迷路で境界され,ミクロ的にtight junctionで外界組織と隔絶している。また輸出入リンパ管や所属リンパ節をもたない。内リンパ嚢は内耳において免疫担当細胞が完備され,有窓血管網にて外界と交通している唯一の部位である。
近年になるまで,内耳は免疫活動の場としての研究対象からはほとんど除外されてきた。今日,免疫学の驚異的な進歩に出会い,1980年代に入って内耳にも免疫学研究の光が差込み,闇の中にあった原因不明の内耳疾患の正体が少しずつ明らかにされてきている。メニエール病の発作的な症状や内リンパ水腫はアレルギーの関与の一面を示唆する所見である。
本稿ではメニエール病において免疫現象がどのように関わってつるのか,これまでの内耳免疫研究の成果について考察した。
メニエール病はめまい発作,低音部を中心とした変動する感音難聴,耳鳴の三症候を呈し,特発性内リンパ水腫を有する疾患と定義されている。亜型としての蝸牛型メニエール病はめまい発作を欠落している。
メニエール病の発症機序については今日まで,多数の学説が提起されてきているが,いまだ解決していない。解剖組織学上から見る内耳はマクロ的に骨迷路で境界され,ミクロ的にtight junctionで外界組織と隔絶している。また輸出入リンパ管や所属リンパ節をもたない。内リンパ嚢は内耳において免疫担当細胞が完備され,有窓血管網にて外界と交通している唯一の部位である。
近年になるまで,内耳は免疫活動の場としての研究対象からはほとんど除外されてきた。今日,免疫学の驚異的な進歩に出会い,1980年代に入って内耳にも免疫学研究の光が差込み,闇の中にあった原因不明の内耳疾患の正体が少しずつ明らかにされてきている。メニエール病の発作的な症状や内リンパ水腫はアレルギーの関与の一面を示唆する所見である。
本稿ではメニエール病において免疫現象がどのように関わってつるのか,これまでの内耳免疫研究の成果について考察した。
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