文献詳細
原著
口腔底腫瘍と鑑別困難であった巨大な歯石の症例
著者: 柴崎修1 宗田靖1 木村伸一1 和田哲郎1 武山実2 草刈潤2
所属機関: 1筑波大学附属病院耳鼻咽喉科 2筑波大学臨床医学系耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.109 - P.111
文献概要
歯石とは歯の表面にできる硬い沈着物であり,口腔内細菌と主にCa反応性タンパク質からなる細菌間基質とから構成された歯垢,歯苔あるいは菌苔と呼ばれる軟らかい沈着物にCa,Pなどのミネラルが沈着し,石灰化したものである1-3)。歯科領域においてはごくありふれた存在であり,一般にはその診断に苦慮することはまれと思われる。
今回われわれは,口腔底腫瘍による下顎骨の露出と鑑別困難であった巨大な歯石を有した症例を経験し,その機序について若干の考察を加えたのでここに報告する。
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