文献詳細
原著
ヘッドホーンステレオを利用したマスカー療法の試み
著者: 相原康孝1 小林謙1 佐久間文子1 石田祐子1 上村敏夫1 井上英輝1 神尾友和1 河村和雄2
所属機関: 1神尾記念病院耳鼻咽喉科 2リオン株式会杜
ページ範囲:P.145 - P.148
文献概要
耳鳴が外界の音によって遮蔽される現象を耳鳴治療に応用し,耳鳴の遮蔽のために雑音を用いたのがマスカー療法である1)。マスカーによる耳鳴治療では耳鳴の周波数に近い帯域雑音で完全に耳鳴が遮蔽されることが重要であり1),従来より用いられてきたボックス補聴器型マスカー治療器は5kHz以上の周波数の耳鳴に対しては,マスキングノイズのピッチを合わせることができず,5kHz以下の耳鳴に比べ効果が劣るとされている2)。
今回われわれは症例ごとに耳鳴にできる限り近似し,5kHz以上の高音域でも帯域雑音を発生できる装置を開発し,それによるマスキングノイズをカセットテープに録音し,ヘッドホーンステレオ(ウォークマン;SONY)を用いてマスカー療法を試みた。
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