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原著
30名の人工内耳植え込み患者の臨床試験成績
著者: 舩坂宗太郎1 本庄巖2 形浦昭克3 野田寛4 熊川孝三5
所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科 2京都大学耳鼻咽喉科 3札幌医科大学耳鼻咽喉科 4琉球大学耳鼻咽喉科 5虎の門病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.149 - P.157
文献購入ページに移動22チャンネル人工内耳(Cochlear Pty Ltd,Sy-dney,Australia)の日本での臨床応用は,1985年12月東京医科大学において髄膜炎後聾となった女性患者に行われたのが最初である1)。以来,本治験に参画した東京医科大学,京都大学,札幌医科大学,琉球大学,虎の門病院において30名の患者に応用された、すべての患者は言語の聴取能を再獲得し,いわゆる「日常的な使用者(regular user)」となっており,環境音も認識することができる。少なくとも6人の患者は電話の使用が可能となっている。このように,本人工内耳は聾患者に対して大きな福音となっている。
このレポートでは,22チャンネル人工内耳システム,適応基準,植え込み手術,適用患者について概略的に説明し,そして言語治療士の肉声ならびに人工内耳患者用に特別に作られたビデオテープによる人工内耳患者の言語聴取能の評価結果および副作用の有無について報告するものである2〜5)。
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