文献詳細
原著
上咽頭癌に対するガンマナイフ治療の試み
著者: 木田義久1 小林達也1 山中孝幸1 森美雅1 服部智司2 村橋けい子2 池田流美2
所属機関: 1小牧市民病院脳神経外科 2小牧市民病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.199 - P.204
文献概要
上咽頭部に発育する腫瘍の中で,上咽頭癌は通常手術的摘出が不可能であるため,化学療法の他,放射線外照射あるいは腔内照射が行われている。放射線感受性は高く初期には比較的良好な反応が認められるものの,長期生存例は少なく,5年生存率は30〜45%とされ,いま十分な成果が得られていない。ガンマナイフは主に頭蓋内病変の定位的放射線治療(radiosurgery)を目的にスウェーデンのLeksell1)により開発された装置であるが,眼窩,頭蓋底,鼻咽頭病変への適応が可能である。今回,当病院に新たに導入したガンマナイフにより,上咽頭癌を治療する機会を得たので,ここに紹介する。
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