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原著
外耳道有生異物(フタトゲチマダニ)の2症例
著者: 大井聖幸14 小野寺亮1 河田藤治2 山口昇3
所属機関: 1東北公済病院耳鼻咽喉科 2河田耳鼻咽喉科 3埼玉医科大学短期大学 4現:東北大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.227 - P.231
文献購入ページに移動外耳道有生異物では一般に昆虫が多いが,ダニ,マダニ類の報告例は少ない。
マダニ類は主として野生物動や家畜に寄生するが,ときに人体にも寄生し,ピロプラズマ病,野兎病,再帰熱,ライムボレリア症などの細菌感染症や,ロシア春夏脳炎や出血熱などのウイルス感染症,ロッキー山紅斑熱や丘疹熱などのリケッチア感染症を媒介する1)ので,臨床上も重要である。近年,マダニ類の人体寄生例の報告は増加しているが,その多くはマダニ属のものであり,チマダニ属の症例は少なく2),また外耳道に寄生した症例は極めて少ない。
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