文献詳細
原著
文献概要
緒言
副鼻腔に発生する悪性腫瘍は,そのほとんどが上顎洞原発であり,蝶形骨洞原発のものは非常に稀である。われわれの検索し得た範囲では,蝶形骨洞原発の悪性腫瘍の報告は,本邦で28例,欧米でも44例を認めるに過ぎない。蝶形骨洞原発の腫瘍は,洞内にとどまっている間は症状を現わさず,洞外に進展して初めて症状を呈するため早期発見が難しい。また蝶形骨洞周囲には,視神経,動眼神経,三叉神経,滑車神経などの脳神経や海綿静脈洞,さらには大脳が隣接しているため,治療も難しく極めて子後が悪い。今回われわれは,蝶形骨洞原発の扁平上皮癌の2例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
副鼻腔に発生する悪性腫瘍は,そのほとんどが上顎洞原発であり,蝶形骨洞原発のものは非常に稀である。われわれの検索し得た範囲では,蝶形骨洞原発の悪性腫瘍の報告は,本邦で28例,欧米でも44例を認めるに過ぎない。蝶形骨洞原発の腫瘍は,洞内にとどまっている間は症状を現わさず,洞外に進展して初めて症状を呈するため早期発見が難しい。また蝶形骨洞周囲には,視神経,動眼神経,三叉神経,滑車神経などの脳神経や海綿静脈洞,さらには大脳が隣接しているため,治療も難しく極めて子後が悪い。今回われわれは,蝶形骨洞原発の扁平上皮癌の2例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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