耳鼻咽喉科・頭頸部外科64巻4号

1992年04月発行

原著

上顎洞粘表皮癌の検討

著者： 橘田千秋¹ 堀越秀典¹ 原田克也¹ 内藤丈士¹ 長舩宏隆¹ 小田恂¹ 野中博子²

所属機関： ¹東邦大学耳鼻咽喉科第一講座 ²東邦大学大森病院病理

ページ範囲：P.309 - P.312

文献概要

　はじめに
　粘表皮癌は唾液腺山来の腫瘍であり，そのほとんどが大唾液腺および小唾液腺に発生する。鼻，副鼻腔における粘表皮癌は比較的稀であり，多面性をもった腫瘍といわれている^1）。われわれは最近10年間に，3例の上顎洞粘表皮癌を経験したので，病理学的考察を加えて報告する。