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原著
稀な頭頸部結核症の2例—乳児症例と口腔癌治療後発症例
著者: 立石晃1 野代忠宏1 山田長敬1 福山宏2 梶原康巨3 斉藤猛彦4
所属機関: 1九州歯科大学口腔外科学第一講座 2九州歯科大学口腔病理学講座 3産業医科大学小児科学講座 4北九州市立療養所松寿園外科
ページ範囲:P.361 - P.365
文献購入ページに移動結核患者の発生は戦後,予防接種の普及ならびに国民の食生活,衛生管理の向上により急激に減少し現在の患者数は約24万人と30年前に比べ約7分の1となっている。しかし結核症は今日でも年間5万3千人に罹患し3千人以上が死亡するという最大の感染症であることに変わりはない。また近年では悪性腫瘍の治療中または治療後に結核症を併発する症例も報告され,また新たな問題となっている。今回私達は初発が生後10ヵ月という乳児と頬粘膜癌手術後2年3ヵ月後に発症した頭頸部にのみ限局した結核症の2例に遭遇したのでその概要を報告する。
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