文献詳細
原著
頭頸部手術におけるフィブリン糊の応用
著者: 高橋光明1 上戸敏彦1 長野悦治1 荻野武1 本間裕1 吉田真子2 東松琢郎2 今田正信2
所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室 2釧路労災病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.411 - P.414
文献概要
近年,ヒト濃縮フィブリン糊が商品化され耳鼻咽喉科領域では耳科手術1〜9),鼻出血や鼻内手術1,8,10),ガマ腫11),口蓋扁桃摘出術12)などへの応用が増えつつある。このうち特に耳小骨など骨組織からなる中耳の手術でのフィブリン糊の有用性が高く,数多くの報告がなされている1〜9)。しかし,頭頸部領域でのフィブリン糊の使用経験の報告はそれほど多くはない7)。
頭頸部手術の問題の1つに顎顔面や頭蓋底部の露出骨の処理の問題がある。上顎腫瘍摘出後の露出骨創面の治癒遷延や腐骨,また,頭蓋底手術に伴う髄液漏などが厄介な術後合併症としてしばしば問題になる。われわれは上記の頭頸部手術の骨部術創にフィブリン糊を応用し良好な結果を得たのでその有用性について報告する。
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