文献詳細
原著
CO2レーザー下甲介手術—その適応と有効性について
著者: 窪田市世1 鍋島みどり1 森田恵1 石井哲夫1
所属機関: 1東京女子医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.435 - P.440
文献概要
下甲介手術におけるLaser Surgeryの応用はまだ歴史が浅く,1977年Lenz1)のArレーザーによる報告から10年余といったところであるが,この間各施設でさまざまな改良が加えられ,かなり完成された形で現在臨床化されている。本邦ではCO2レーザーと接触型Nd:YAG (以下,YAGと略)レーザーが主流になっているが,CO2レーザーは粘膜表層のみを蒸散させる下甲介焼灼術であるのに対し,接触型YAGレーザーは下甲介切除術に近い組織深達性があり多少趣を異にする。すなわちCO2レーザー光はその性質上吸収率が高く,また反射散乱率も低く,色素選択性がないため2),鼻アレルギーなどの疾患において鼻粘膜表層のみを効率よく安全に焼灼するのに適しているといえる。今回われわれは難治性の鼻閉疾患としてハウスダスト(以下,HDと略)アレルギーおよび,血管運動性鼻炎,花粉症,肥厚性鼻炎症例に対してCO2レーザー下甲介手術を施行し,その適応と有効性について検討した。
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