文献詳細
原著
文献概要
はじめに
軟部好酸球肉芽腫は,木村氏病1)ともいわれている。原因不明の比較的稀な疾患で,全身の軟部組織,特に耳下腺部,顎下腺部,頸部,肘部などに単発性ないしは多発性に発生する。無痛性の軟部組織腫瘤あるいはリンパ節の腫脹を主訴として,血中の好酸球およびIgEの増多と,特異な病理組織像によって診断される。しかし初診時耳下腺腫脹を主訴とする場合が多く,耳下腺腫瘍との鑑別は必ずしも容易ではない。今回,われわれは耳前部,頬部から耳下部にかけて発生した巨大な軟部好酸球肉芽腫症例を経験し若干の知見を得たので報告する。
軟部好酸球肉芽腫は,木村氏病1)ともいわれている。原因不明の比較的稀な疾患で,全身の軟部組織,特に耳下腺部,顎下腺部,頸部,肘部などに単発性ないしは多発性に発生する。無痛性の軟部組織腫瘤あるいはリンパ節の腫脹を主訴として,血中の好酸球およびIgEの増多と,特異な病理組織像によって診断される。しかし初診時耳下腺腫脹を主訴とする場合が多く,耳下腺腫瘍との鑑別は必ずしも容易ではない。今回,われわれは耳前部,頬部から耳下部にかけて発生した巨大な軟部好酸球肉芽腫症例を経験し若干の知見を得たので報告する。
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