文献詳細
原著
Endotoxin shockを呈し右眼窩部習慣性丹毒が疑われた1症例
著者: 別府武1 戸島均1 喜連照夫1 奥山孝1 小池吉郎1
所属機関: 1山形大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.601 - P.605
文献概要
初診時にendotoxin shockを経験することは稀であり,一般に予後は不良な場合が多い。従来よりendotoxin shockの死亡率は60〜80%といわれていた1)が,ステロイド大量投与が著効を奏することが明らかにされて以来,生存率は著しく向上した。一方,丹毒は抗生剤が普及した最近では珍しくなったものの時に経験する。初回病変治癒後にリンパうっ滞,免疫力低下などを素地として再発する習慣性丹毒は顔面や下腿を好発部位とし,かつ感染経路が不明な場合が多いとされている。今回われわれは,endotoxin shockを呈し右眼窩部習慣性丹毒が疑われた1症例を経験し,治療に成功したので報告する。
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