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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科64巻8号

1992年08月発行

原著

OK-432併用養子免疫療法が奏功した進行上咽頭癌の1例

著者: 竹野幸夫1 浜井行夫1 平川勝洋1 鈴木衛1 原田康夫1 岡田浩佑2 高山孝弘3 峠哲哉3

所属機関: 1広島大学医学部耳鼻咽喉科 2広島大学輸血部 3原爆放射能医学研究所外科

ページ範囲:P.621 - P.626

文献概要

 はじめに
 上咽頭癌の治療は,その解剖学的特徴から手術療法よりむしろ,放射線ならびに,化学療法が主体となる。また病理組織学的には未分化癌や低分化型扁平上皮癌が多いため,早期に頸部リンパ節や遠隔臓器に転移しやすく,頭頸部癌の中でもその予後は不良である。近年,生存率向上のため高線量率腔内照射法2),種々の抗癌剤の併用療法,免疫療法などが提唱されている。特に免疫療法は,上咽頭癌患者の大部分が免疫能の低下を示している事実3)ならびに,最近の遺伝子工学の進歩に伴い,従来の免疫賦活剤に加えて,各種サイトカインが実際に臨床応用可能となったことより,その有用性が期待されている。
 今回われわれは,手術不能と判断され,かつ抗癌剤および放射線治療に抵抗性を示した上咽頭癌患者に対し,OK-432を同時併用投与したLAK(lymphokine-activated killer)細胞養子免疫療法を試み,良好な結果を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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