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原著
舌癌に対するシスプラチン動注療法により顔面神経麻痺と難聴を生じた1症例
著者: 上村隆一郎1 吉田昭男1 佐藤彰芳1 森末まり1
所属機関: 1警友総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.843 - P.847
文献購入ページに移動シスプラチン(Cis-diammine-dichloroplatinum,cisplatin:CDDP)は,抗癌剤として近年頭頸部悪性腫瘍に優れた治療効果をあげている。用法として,しばしば浅側頭動脈動注療法が用いられるが,副作用として腎障害,骨髄抑制などとともに内耳障害をきたすことが知られている。また,動注療法のまれな合併症として顔面神経麻痺が報告されている1〜5)。今回われわれは,舌癌に対してシスプラチンの動注療法を施行し,その合併症として顔面神経麻痺と聴力障害をきたした症例を経験したので報告する。
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