文献詳細
原著
PTP食道異物症について
著者: 川端五十鈴1 田部浩生1 小山内龍一1 小鷹和美2
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科 2埼玉医科大学総合医療センター薬剤部
ページ範囲:P.865 - P.870
文献概要
Press Through Pack包装薬剤(以下PTPと略す)による食道異物症は,疾患予防や治療の目的で服用した薬剤の包装材によって生じる極めて特異な異物症である。本症は薬剤がPTP包装されるようになった時期に一致してみられるようになり,本邦では1970年迎ら1)による2例の報告を嚆矢として,以後多くの症例が報告されている。そしてPTP誤嚥の予防法について,いくつかの案が提唱されているにもかかわらず,報告例はわずかであるが年々増加の傾向がみられる2〜4)。当科でも1987年から1993年までの約7年間に17例のPTP食道異物症例を経験したので,症例を供覧して,若干の考察を加えて報告する。
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