文献詳細
文献概要
講座 頭頸部外科に必要な形成外科の基本手技・1
皮膚の切開・剥離の基本
著者: 上石弘1
所属機関: 1近畿大学医学部形成外科
ページ範囲:P.879 - P.887
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その昔,切り口をみれば剣術の腕前がわかったという。昨今では同様のことがメスを持つ外科医についても言えることである。腕の良い外科医と称される人の切開創をみると,切開線の方向・長さ・皮膚との角度・深さなどが程よく条件を満たしていて実に美しいものである。さらに剥離という操作をみれば,もはや9分通りその外科医の技量がわかってしまうと言っても過言ではない。なぜならば,手術は切開と剥離操作の連続が大半を占めているからである。
上手な剥離を見ると,出血が少なく剥離した創面が平坦で,剥離の範囲・深さ・方向など剥離の具備条件ともいうべき事項が全て満たされているからである。
頭頸部外科領域では,頭部・顔面・頸部と解剖学的に異なった特徴をもった皮膚が隣接しており,身体他部の切開や剥離に比較して数段の難しさを秘めている。
本稿では,頭頸部領域の切開はどのように行うか,剥離はどのようにしたら良いか筆者の考え方を述べてみたい。
その昔,切り口をみれば剣術の腕前がわかったという。昨今では同様のことがメスを持つ外科医についても言えることである。腕の良い外科医と称される人の切開創をみると,切開線の方向・長さ・皮膚との角度・深さなどが程よく条件を満たしていて実に美しいものである。さらに剥離という操作をみれば,もはや9分通りその外科医の技量がわかってしまうと言っても過言ではない。なぜならば,手術は切開と剥離操作の連続が大半を占めているからである。
上手な剥離を見ると,出血が少なく剥離した創面が平坦で,剥離の範囲・深さ・方向など剥離の具備条件ともいうべき事項が全て満たされているからである。
頭頸部外科領域では,頭部・顔面・頸部と解剖学的に異なった特徴をもった皮膚が隣接しており,身体他部の切開や剥離に比較して数段の難しさを秘めている。
本稿では,頭頸部領域の切開はどのように行うか,剥離はどのようにしたら良いか筆者の考え方を述べてみたい。
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