文献詳細
原著
縦隔洞へ進展した深頸部膿瘍の1例
著者: 甲斐智朗1 大前由紀雄1 山口健吾1 北原哲1 井上鐵三1 渡辺真純2
所属機関: 1防衛医科大学耳鼻咽喉科 2防衛医科大学第二外科
ページ範囲:P.1019 - P.1024
文献概要
深頸部膿瘍は,抗生物質の進歩に加えて,CT,MRI等の画像診断が普及して病巣の拡がりを的確に診断し迅速に対処することが可能となったため,死に至ることは比較的稀となった。しかし依然として楽観できない疾患のひとつであることに変わりはない。なかでも,縦隔洞へ進展した場合はしばしば致命的となるため,縦隔洞への進展の有無を的確に診断し迅速に対処することが要求される。
今回著者らは,縦隔洞へ進展し膿瘍を形成したため開胸ドレナージを実施し救命し得た深頸部膿瘍の症例を経験したので,その臨床経過を報告するとともに,縦隔洞膿瘍に対する開胸ドレナージの有用性に関して文献的考察を加えて報告する。
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