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原著
錐体骨から発生した類上皮腫と両側嚢胞性腫瘍の2症例
著者: 大滝一1 高橋姿1 藤崎俊之1 佐藤斎1 中野雄一1
所属機関: 1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.1025 - P.1029
文献購入ページに移動錐体骨から発生する腫瘍性病変はある程度の大きさになって内耳あるいは内耳道に進展すると,はじめて顔面神経麻痺,感音難聴,めまいといった症状を起こしてくるが,単純耳X線撮影,内耳道断層撮影では骨破壊像をとらえることがなかなか難しい。同様の症状を示す他疾患との鑑別が困難て,発見も遅れがちとなり,CT, MRIを行ってようやく診断がつくことが多い。そのため発症から診断,手術までの経過が長く,神経変性も高度となって,予後不良となりやすい。さらに部位的に手術操作が困難で全摘術が難しいことも多い。
今回われわれは,難聴と顔面神経麻痺を伴った錐体骨原発と思われる類上皮腫と両側の嚢胞性腫瘍を経験したので,文献的考察を加え報告する。
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