文献詳細
文献概要
トピックス 耳鼻咽喉頭頸部領域の自己免疫疾患—最近の知見
内耳自己免疫疾患
著者: 茂木五郎1
所属機関: 1大分医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.209 - P.215
文献購入ページに移動 はじめに
ヒト内耳は硬い側頭骨の中にあり,外界との間には中耳が介在するので,中耳に異常または障害がない限り,直接外来刺激を受けることはない。内耳各部分には内リンパ嚢を除いて免疫担当細胞は見当たらず,また所属リンパ節や輸出入リンパ管を欠いている。内耳は長いこと免疫学的研究の対象外におかれていたが,近年ようやく研究が着手されて,その免疫機構が解明されつつある。これまでの知見を要約すれば,1)内耳は免疫学的には潜在性臓器であるが,抗原刺激を受ければ局所で抗体産生がなされる,2)外リンパ液の免疫グロブリンは脳脊髄液に依存しない,3)内リンパ嚢は内耳で唯一免疫担当細胞のあるところで,内耳免疫応答の中心的存在といえる1-3)。
ヒト内耳は硬い側頭骨の中にあり,外界との間には中耳が介在するので,中耳に異常または障害がない限り,直接外来刺激を受けることはない。内耳各部分には内リンパ嚢を除いて免疫担当細胞は見当たらず,また所属リンパ節や輸出入リンパ管を欠いている。内耳は長いこと免疫学的研究の対象外におかれていたが,近年ようやく研究が着手されて,その免疫機構が解明されつつある。これまでの知見を要約すれば,1)内耳は免疫学的には潜在性臓器であるが,抗原刺激を受ければ局所で抗体産生がなされる,2)外リンパ液の免疫グロブリンは脳脊髄液に依存しない,3)内リンパ嚢は内耳で唯一免疫担当細胞のあるところで,内耳免疫応答の中心的存在といえる1-3)。
掲載誌情報