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原著
聾学校児の難聴実態調査—川崎市立聾学校の場合
著者: 小島好雅1 加我君孝2 松尾安雄3 佐藤恵美子3 石塚洋一4
所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 3川崎市立聾学校 4帝京大学医学部溝口病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.243 - P.248
文献購入ページに移動難聴幼児の早期発見,早期教育の重要性が提唱され,わが国においては全国的に難聴の発見,難聴教育の整備が進められている1,2,3)。その結果,中等度から高度難聴児が初等教育を普通学校で受ける例が多くなっており,聾学校の生徒数は減少傾向にある。こうした難聴児をとりまく社会背景の変化のなかで,現在聾学校に在籍している生徒の難聴の発見に至る過程や難聴の程度を調べることは,耳鼻科医が関わるべきテーマとして興味深いことと思われる。
今回調査を行った川崎市立聾学校は,人口118万人の川崎市にある唯一の聾学校であり,本校は川崎市およびその周辺の地域の聾教育の中心的役割を果たしている。また,幼稚部から高等部まで一貫した教育体制が整っていることが本校の大きな特徴である。
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