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文献概要
目でみる耳鼻咽喉科
舌根部神経鞘腫
著者: 林琢巳1 山本英一1
所属機関: 1川崎医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.256 - P.257
文献購入ページに移動 神経鞘腫は頭頸部領域において比較的多くみられ,良性軟部組織腫瘍中,血管腫,脂肪腫に次いで多い1)。発症部位は頭頸部が最も多く,一般に口腔咽頭領域に発生する頻度は低い。本症例は咽頭異和感を主訴に近医受診し,偶然発見されたもので,舌根部に3×3cmの半円形の腫瘤として認められた。まず異所性甲状腺腫を疑い甲状腺シンチグラフィーを施行したが,腫瘤への集積は認めなかった。CT所見では内部均一な表在性腫瘤であったため,口腔経由で摘出術を施行した。舌根部に腫瘤を認めた場合,注意すべき点として異所性甲状腺腫の可能牲,次いで腫瘍の大きさと深達度を考慮した上で摘出のアプローチ法,さらに神経鞘腫などでも稀に認められる悪性化の再能性にも注意を要する。
舌に発生する神経鞘腫の母地としては,三叉,舌咽,迷走,舌下および鼓索神経が考えられるが,いずれの場合も同定は困難である。
舌に発生する神経鞘腫の母地としては,三叉,舌咽,迷走,舌下および鼓索神経が考えられるが,いずれの場合も同定は困難である。
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