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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科65巻4号

1993年04月発行

原著

鼻アレルギー患者の経過—減感作療法未施行例

著者: 坂田文1 川堀眞一1 畑山尚生1 長野悦治1 海野徳二1

所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.267 - P.271

文献概要

 はじめに
 近年,環境や食生活などの変化からアレルギー性疾患の増加がクローズアップされている。鼻アレルギーに関しても厚生省の調査では3人に1人が罹患していると報告されている。鼻アレルギー患者はいったん罹患したらそのまま症状を持ち続けるのか,あるいは寛解の可能性があるのかは罹患率の面からも興味深い。
 アレルギー素因をもった小児は,アレルギーマーチの概念が示すように幼少時よりアトピー性皮膚炎,気管支喘息,鼻アレルギーとその姿を変えながらも次々とアレルギー症状をおこしてゆくことが報告されている1)。一方では,成長するにつれ自然にこれらの症状が寛解してゆく例もある。その数は報告者によって幅があるが,約8.0%2)から58.3%3)といわれている。
 特異的減感作療法による症状の改善,寛解については多くの報告があり,その改善率も70%〜80%と高く安定しているが,治療のために,特に初期は頻回に通院しなければならない,ショックなどの副作用の危険性がある,速効性ではない,などの欠点もある。
 今回われわれは,減感作療法を継続して受けたことのない鼻アレルギー患者に対し,現在の鼻症状についてアンケート調査を行い,減感作療法を受けていない鼻アレルギー患者の症状の経過,特に自然に症状が消失,改善した例について検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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