文献詳細
原著
第IV脳室底・橋被蓋出血によるOculopalatal myoclonusの1症例—眼球運動および聴覚検査所見の比較
著者: 坂田英明1 加我君孝2
所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.297 - P.302
文献概要
Oculopalatal myoclonusは小脳歯状核と反対側の赤核,下オリーブ核を結ぶGuillain Mollaretの三角のいずれかの障害で生じる1)とされ,神経耳科学的には眼球運動系の検査が重要な役割をしてきた。Epsteinら2)は,CT,血管撮影には異常所見を認めないが聴性脳幹反応(ABR)が脳幹障害型を示した1例を報告し,1982年Barbaraら3)は,Palatal myoclonusを示す20症例のうち脳幹障害型ABRを示した6例を報告した。われわれは,脳橋部の出血により典型的なOculopalatal myoclonusをきたした1例を経験したので,平衡,聴覚系の検査(ENG,ABR)をとくに取り上げ報告する。
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