icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科65巻4号

1993年04月発行

原著

1聴神経腫瘍例手術後のABR回復過程

著者: 小林謙1 相原康孝1 神尾友和1 中村雅子2 加我君孝2

所属機関: 1神尾記念病院 2東京大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.325 - P.330

文献概要

 はじめに
 聴性脳幹反応(ABR)は聴神経腫瘍の診断にCTやMRIと同様に重要な検査法である。これらの検査技術の進歩により聴神経腫瘍の早期発見が可能となり,手術により聴力保存が達成できる場合もまれではなくなった1)。手術による聴力の保存をより確実に達成するため,ABRを術中にモニターすることがしばしば行われるが2〜4),術中に,それまで反応の得られていたABRが消失することがある。その場合,聴神経の障害や内耳動脈の血行障害などが生じたものと推定され,恒久的な聴力障害の合併が疑われる。
 われわれは,術後ABRが一度消失し,その後再びABRが出現,最終的には術前とほぼ同様の反応を得た聴神経腫瘍症例を経験したので若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら