耳鼻咽喉科・頭頸部外科65巻6号

1993年06月発行

目でみる耳鼻咽喉科

両側反回神経麻痺（両側声帯正中位固定）に対する前方開大術

著者： 古川浩三¹

所属機関： ¹北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲：P.416 - P.417

文献概要

　両側反回神経麻痺のなかで，両側の声帯が正中位にあり声門が開大しないものを一般的には両側声帯正中位固定と呼んでいる。両側声帯正中位固定に対する声門開大術には多くの方法が報告されている。ひとつの病態にいろいろな治療法があるということは，決定的な治療法がないということにもなる。
　この声門開大術を施行するにあたって一番の問題は，治療の対象となる症例があまり多くないため，手術を経験することが少なく手術法に慣れない，ということであろう。