耳鼻咽喉科・頭頸部外科65巻6号

1993年06月発行

原著

舌癌手術後の頸動脈再建—シャントチューブの工夫

著者： 石山哲也¹ 勝野哲² 佐々木修¹ 根津公教¹ 菊川正人¹ 竹前紀樹³ 小林澄雄³ 恒元秀夫⁴

所属機関： ¹信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室 ²市立飯田病院耳鼻咽喉科 ³信州大学医学部脳神経外科 ⁴信州大学医学部第2外科

ページ範囲：P.483 - P.487

文献概要

　はじめに
　頭頸部悪性腫瘍患者の手術で，腫瘍が頸動脈に浸潤している時には，頸動脈の結紮・切除を余儀なくされることがある。この場合脳血流を維持するため頸動脈の再建を行い，腫瘍を摘出することが多いが，われわれは脳血流の遮断時間をできるだけ短くするために，血管吻合する前にシャントチューブを適用することにしている。今回，頸動脈に癒着するリンパ節転移をもつ舌癌患者に対して，シャントチューブの適用に工夫をして手術を行ったので報告する。