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原著
甲状腺に発生したBenign Lymphoepithelial Lesionの1例
著者: 後藤みずほ1 大橋正實1 犬山征夫2
所属機関: 1耳鼻咽喉科麻生病院 2北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.569 - P.573
文献購入ページに移動Benign lyrnphoepithelial lesion(以下BLL)は,1952年Godwinが初めて報告したもので,臨床的には唾液腺や涙腺が片側性,あるいは両側性に,多くは無痛性に腫大する疾患である。組織学的には,腺房細胞の萎縮消失と小葉内導管周囲の線維化と著明なリンパ球浸潤がみられ,筋上皮島(EMEI)の形成を特微としている。
甲状腺組織には種々の腫瘍および腫瘍様病変があることが知られているが,病理組織学的にBLLと同じ所見を呈ける病変を認めたという報倍は見当たらない。
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