文献詳細
原著
甲状軟骨の形態異常により咽喉頭異常感をきたした1例
著者: 多田直樹1 牛呂公一1 友田幸一1 熊沢忠躬1
所属機関: 1関西医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.605 - P.607
文献概要
日常診療において咽喉頭異常感を主訴として来院する患者は非常に多く,その約半数は器質的異常による症状であるといわれている。その器質的異常を伴う原因疾患としては慢性咽喉頭炎,扁桃炎,あるいは慢性副鼻腔炎,アレルギー性鼻炎といった慢性炎症によるものが多く,さらに,腫瘍性疾患も見逃してはならない重要な疾患である1)。また,茎状突起過長症などの咽喉頭部の形態異常による症状発現も知られている。
一方,精査の結果器質的な異常発見できない場合も多く,この場合全身的要因の検索2)や整形外科的検討3),慎重な経過観察が必要とされ,また治療に当たっては心身症的な配慮4)も必要とされている。
掲載誌情報