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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科65巻8号

1993年08月発行

目でみる耳鼻咽喉科

下部頸部に発生した皮様嚢胞Dermoid cyst

著者: 飯田政弘1 堀内正敏1 坂井真1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.616 - P.617

文献概要

 皮様嚢胞の多くは先天性であるが,外傷による後天性の症例も報告されている。一般に先天性の皮様嚢胞は第1鰓弓および第2鰓弓の癒合線上に遺残した外胚葉成分に由来するとされ,顎舌骨筋を境に顎下部と舌下部に好発する。病理組織学的には下記の3型に分類される。
 1)表皮嚢胞epidermoid type:嚢胞壁は重層扁平上皮で,内容はケラチン。
 2)表皮嚢胞dermoid type;嚢胞壁は重層扁平上皮で皮脂腺,汗腺,毛嚢など皮膚付属器を有し,内容はケラチンや皮脂性物質。
 3)奇形腫型teratoid type:嚢胞壁は皮膚付属器以外に他組織を含む奇形腫壁のもの。
 報告する症例は発生部位としてまれな下部頸部に認められた先天性の表皮様嚢胞である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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