文献詳細
原著
長期にわたって存在した鼻腔異物の1症例
著者: 後藤田裕之1 酒井昇1 劉澤周1 犬山征夫1
所属機関: 1北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.669 - P.671
文献概要
鼻腔異物は,しばしば見られる疾患であるが,その多くは10歳以下の幼小児で,玩具類を鼻内に挿入して引き起こされるものである。今回われわれは,幼小児期に挿入した異物が,その後自覚症状乏しく25年以上にわたって放置されていた症例を経験した。鼻腔異物に関する従来の報告では比較的早期に発見される例が多く,われわれの症例のように長期にわたる異物例は,極めて稀であるので,文献的考察を加えて報告する。
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