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原著
Acoustic rhinometryによる副鼻腔評価の試み
著者: 加瀬康弘1 石尾健一郎1 飯沼壽孝1 佐久間信行2
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科 2日本通運東京病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.728 - P.732
文献購入ページに移動Acoustic rhinometry(以下ARと略)は近年開発された鼻腔検査法で,鼻腔断面積の変化に応じて反射された音波を検出することにより得た距離と断面積の関係より,任意の部位の鼻腔断面積と任意の範囲での鼻腔容積の測定を可能にした1)。われわれはARによる副鼻腔容積変化検出の可能性を検討中であり,将来副鼻腔検査法の1つとして応用したいと考えている。以前施行した管の側方にピストンを装着しただけの副鼻腔単純モデルによる実験結果によると,音波の伝播経路である管腔に対して,狭い交通路を介し直角に位置する腔(ピストン)であっても,ARにてその腔の容積を比較的正確に測定できた2)。しかし,実際の鼻副鼻腔は単純な管腔構造ではない。今回は鼻副鼻腔術前・術後にARを施行し,術後の容積増加率を術式ごとに比較検討してAR測定値に対する副鼻腔容積の関与を考察した。
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