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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻1号

1994年01月発行

原著

術後,聴力の著明な改善をみた聴神経腫瘍例について—症例報告

著者: 石川和夫1 桃生勝己1 中沢操1 宮崎総一郎1 戸川清1 安井信之2

所属機関: 1秋田大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2秋田県立脳血管研究センター脳外科

ページ範囲:P.15 - P.18

文献概要

 はじめに
 聴神経腫瘍の患者は,蝸牛または前庭症状で発症することが多く,したがって耳鼻科医を初診するケースがほとんどである。この意味で早期発見は耳鼻科医に委ねられているわけであるが,実際は非典型的な経過を示し診断の難しい例もときどきある。一方,最近のMRI導入による画像診断の飛躍的な進歩により,内耳道内に限局した小腫瘍でも正確に診断ができるようになってきており,いきおい聴力障害の軽微な小腫瘍の発見例も増えてきている。聴神経腫瘍の治療における最終目標は,腫瘍の全摘出と顔面神経および聴力の機能保存であるが,この目標に向かって,手術方法1,2),γ線療法3,4),術中モニタリング4),聴力保存の可否の基準などについて検討されている5)。聴力保存の対象症例は純音聴力50dB以下,語音明瞭度50%以上である5,6)ことが1つの目安とされるが,この基準では保存の適応にならない聴神経腫瘍例に対して中頭蓋窩法で摘出したところ,術後著明に聴力の改善した症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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