文献詳細
原著
嗅神経芽細胞腫の1症例
著者: 小川雅浩1 竹生田勝次1 西嶌渡1 角田玲子1 上原敏敬2 岸紀代三2
所属機関: 1埼玉県立がんセンター耳鼻咽喉科 2埼玉県立がんセンター臨床病理部
ページ範囲:P.24 - P.28
文献概要
嗅神経芽細胞腫は嗅粘膜上皮を発生母地とし鼻腔嗅部に好発する神経外胚葉由来の悪性腫瘍である。悪性度が低く放射線に感受性のあることが知られているが,比較的まれな腫瘍であるため,腫瘍の生物学的特性については不明な点が多い。また,病理組織学的に他の悪性腫瘍との鑑別が問題となる腫瘍である。今回われわれは,鼻腔の未分化癌が疑われたが,頸部の転移リンパ節の病理組織より嗅神経芽細胞腫と診断された1症例を経験した。本症例の経過とともに,嗅神経芽細胞腫の診断と治療について文献的に考察したので報告する。
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