文献詳細
原著
両側上顎癌の3症例
著者: 小笠原誠1 田中克彦1 三国尚志1 西沢典子1 西尾正道2 成松直人2 浅野勝士3
所属機関: 1国立札幌病院耳鼻咽喉科 2国立札幌病院放射線科 3札幌斗南病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.32 - P.35
文献概要
通常,上顎癌は一側性であり,両側の上顎洞に発症する頻度は非常に低い。このような症例での治療は,当然救命を第一義とするものの,患者のQOLを考えるとはなはだ難しい側面をもつ。両側性上顎癌は,それぞれの洞での原発性発症が確実であれば重複癌とみなされるが,左右の上顎洞の解剖学的に近接した関係から,その診断には慎重を要する。過去,われわれの施設では異時性発症の両側性上顎癌が3例あり,これらの症例について若干の文献的考察を加えて報告する。
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