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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻10号

1994年10月発行

原著

アレルギー性鼻炎における嗅覚障害の特徴

著者: 肥後隆三郎1 市村恵一1

所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.875 - P.879

文献概要

 はじめに
 嗅覚障害は単一疾患としてとらえられるものではなく,種々の疾患により惹起される症状であり,症候上嗅覚減退・嗅覚脱失・異臭症などに分類される。嗅覚は視覚・聴覚などにくらべ,異常が生じた場合一般になおざりにされがちであり,特に慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が背景疾患として存在すると,原疾患にとらわれるあまり嗅覚障害に対しては目が向けられないことも多い。調所ら1)によれば,アレルギー性鼻炎の発作時における嗅覚障害の発生率はアレルギー性鼻炎が中等度以上の場合50〜60%にのぼり,花粉症に限ればシーズン中約70%の患者が嗅覚障害を訴えるという。また一般に嗅覚減退を示すことが多いが約10%に嗅覚脱失を認めるとされる。また花粉症の患者で,花粉飛散時のみならず,その後も嗅覚障害が持続する場合があり,アレルギー性鼻炎の嗅覚障害=発作時の粘膜腫脹による呼吸性嗅覚障害とは必ずしもいうことはできない。
 今回われわれは,嗅覚障害を主訴として当科鼻外来を受診した患者を対象としアレルギー性鼻炎との関連を検討したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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