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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻10号

1994年10月発行

原著

頸部外傷の緊急止血における総頸動脈の一時的遮断

著者: 小出千秋1 鈴木正治1 今井昭雄1 廣瀬保夫2 金沢宏3 市川高夫4 岡本学4

所属機関: 1新潟市民病院耳鼻咽喉科 2新潟市民病院救命救急センター 3新潟市民病院第二外科 4新潟市民病院麻酔科

ページ範囲:P.881 - P.884

文献概要

 はじめに
 教科書にみられる頸部の外傷の記事は喉頭・気管に集中している1,2)。喉頭・気管は頸部において損傷を受けやすく,また急性の気道閉塞や後に生じる気道の瘢痕狭窄など多彩な臨床像を有するためと考えられる。一方,頸部外傷に伴う血管の損傷についてはあまり詳しくは述べられていない。頸部の損傷で頸動脈が切断された場合はほぼ即死状態となるので救急救命の対象にはならないし2),通常中・小血管の損傷は結紮止血で済むためである。しかしながら頸部の大きな損傷では,中程度の血管が切断されただけでも出血が激しくて止血操作が困難となることがある。
 われわれは激しい出血を伴った頸部切創で,総頸動脈の一時的遮断が止血処置に効果的であった2症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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