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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻11号

1994年10月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断

5.下鼻甲介の腫脹

著者: 川堀眞一1 野中聡1

所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.26 - P.29

文献概要

 はじめに
 鼻腔は呼吸道の門戸であり,下鼻甲介粘膜は温度と湿度の調節,吸気の浄化および共鳴作用に大きく関与している。下鼻甲介の腫脹により患者は主に鼻閉を訴えて耳鼻咽喉科を受診する。嗅覚についても腫脹により呼気が嗅部に到達しないと呼吸性嗅覚障害をきたす。鼻閉が一側性か,両側性か,交代性かを問診するとともに下鼻甲介の腫脹をきたす疾患には鼻漏,鼻出血などを伴うこともあり,診断を進めるうえでこれらの症状を聞いておくことが重要である。
 下鼻甲介の腫脹を示す主な疾患と診断手順を表1にあげた。下鼻甲介の腫脹の観察は前鼻鏡,後鼻鏡が基本である。最初に下鼻甲介の鼻腔での占める状態を正常者のCT像(図1),MRI像(図2)で示す。下鼻甲介が明らかに両側性に腫脹しているときと一側性に腫脹しているときでは診断を進めるうえで異なる。また色調,表面の性状の把握も重要である。特に,一側性の腫脹の場合は鼻腔全体を十分に診察し,X線,CT,MRIなどの画像検査もすべきである。表1に診断を進めるうえでのポイントを示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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