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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻13号

1994年12月発行

講座 頭頸部外科に必要な局所解剖・18

喉頭(1)

著者: 佐藤達夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第2解剖学教室

ページ範囲:P.1086 - P.1092

文献概要

 喉頭は飲食道と気道が分離する箇所に,気道の安全装置として発生した器官であり,下咽頭の前に隣接している。
 咽頭は,魚類の消化管では鰓のある区間に相当する。鰓には,湿った薄い膜がひだをつくって重なり表面積を拡大しており,血管に富むのでガス交換の場として活用されている。魚類の心臓は鰓のすぐ尾腹側に作られている。ここは,ガス交換の場である鰓に効果的に血液を送りこむのに最も適した場所である。
 陸生動物の肺は鰓腸の尾側端が膨れ出て作られたから,咽頭とも心臓とも非常に接近している。人体でも,肺は心臓のすぐ傍にあるが,咽頭とはかなり離れている。心臓と肺が胸郭の中に降下してしまったからであるが,もちろん肺は咽頭と連絡を保っているはずである。その連絡管が喉頭と気管である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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