目でみる耳鼻咽喉科
ハイビジョン立体撮影の耳手術への応用
著者:
八木聰明1
望月亮2
斉藤博3
所属機関:
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
2国際メディアコーポトレーション(MICO)
3永島医科器械(株)
ページ範囲:P.92 - P.93
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医学教育,とくに卒後教育における視覚材料の利用は極めて有用である。そのなかでも内視鏡あるいは顕微鏡を用いた手術の状況をビデオ画像を通して,on-lineあるいはoff-lineで多くの人に供覧することは,現在最も広く用いられている方法である。この方法には多くの長所があるが,短所がないわけではない。その少ない短所のなかで最も大きなものは,実際に術者が見ているのは立体であるにもかかわらずビデオ画像は平面であり,立体感は自分の解剖学的知識や経験から構築しなくてはならない点である。この短所は中耳や内耳の手術では大きな問題であり,これが解決されることは教育を含めて極めて重大な意味をもっている。
一方最近,テレビの撮影や再生技術の向上にも目を見張らせるものがあるが,ハイビジョンもその1つである。走査線の数が従来型(525本)のテレビ(NTSC方式)の倍以上(1,125本)あることもあって,画像が極めて鮮明である。