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原著
舌紡錘細胞癌の1例
著者: 成田七美12 今井容子1 山村幸江1 吉原俊雄1
所属機関: 1東京女子医科大学耳鼻咽喉科学教室 2現 牛久愛和総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.101 - P.105
文献購入ページに移動頭頸部領域における悪性腫瘍は癌が最も多く,次いで肉腫である。上皮性悪性腫瘍で紡錘細胞を主体とする一見肉腫様の成分を有するいわゆる癌肉腫は,1864年Virchow1)が癌肉腫として最初に報告した。しかし現在では電子顕微鏡および免疫組織化学的組織分類により紡錘細胞は上皮由来の細胞と考えられ,紡錘細胞癌(spindle cell car-cinoma)という名称が一般的に用いられている。頭頸部領域では喉頭に発生したものはしばしば報告されているが,舌は喉頭に比べ発生頻度は低い。われわれは舌に発生し,組織学的診断が困難であった紡錘細胞癌の1例を経験したので報告する。
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