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原著
両側内耳道拡大を伴うbranchio-oto syndromeの1症例
著者: 中島智子1 藤本政明1 笹木収1 増田游1 田村耕三2
所属機関: 1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2高知県立中央病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.151 - P.156
文献購入ページに移動胎生4週から5週における第一,第二鰓弓の発生異常により難聴,耳瘻孔,側頸部瘻孔,耳介奇形,副耳,下顎骨発育不全などの奇形が生じ,様々な複合奇形として発現することは周知のことであるが,このうち難聴(伝音性,感音性あるいは混合性),耳瘻孔,側頸部瘻孔を呈するものは,特にbranchio-oto syndromeと呼ばれており1),本邦ではこれまで16例の報告を認めるのみである2〜13)。今回われわれは,両側内耳道の著明な拡大を呈したbranchio-oto syndromeの1症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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