耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻2号

1994年02月発行

講座 頭頸部外科に必要な局所解剖・12

甲状腺（2）—上・下甲状腺動脈と迷走神経

著者： 佐藤達夫¹ 坂本裕和¹

所属機関： ¹東京医科歯科大学医学部第2解剖学教室

ページ範囲：P.162 - P.171

文献概要

　血中に分泌物を放出する内分泌器官では血管が豊富である。その典型例として副腎とともに甲状腺があげられる。4本の甲状腺動脈の供給総血液量は脳のそれに匹敵し，各1本の太さはおおよそ橈骨動脈に相当するという。このように発達のよい甲状腺の動脈には，次のような特徴がみられる（図1）。