文献詳細
文献概要
原著
先天性真珠腫症例の検討
著者: 横島一彦1 滝沢竜太1 上野博史2 馬場俊吉1 八木聰明1
所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室 2海老名総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.250 - P.254
文献購入ページに移動先天性真珠腫は,胎生期に迷入した上皮細胞に由来する上皮嚢腫であり,内部に剥脱角化物の堆積を伴っている。しかし,組織学的には後天性真珠腫と全く同一であり,その鑑別には現病歴や手術所見からの判断が重要である。
Derlacki1)は先天性真珠腫の診断基準を,1)鼓膜が正常であること,2)中耳感染の既往がないこと,3)胎生期の扁平上皮の迷入または未分化組織の扁平上皮化生によって発生することとしている。しかし,この診断基準の矛盾点を指摘する報告も多い2,3)。
掲載誌情報