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原著
小児鼻アレルギー症例に対する減感作療法—特に因子別有効率について
著者: 田村嘉之1 堀内正敏1 新川敦1 小林良弘1 坂井真1
所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.325 - P.329
文献購入ページに移動減感作療法は気管支喘息やアレルギー性鼻炎などアレルギー性疾患の特異的治療法として,1911年Noon1),Freeman2)らによって報告されたのが最初である。その後,広くアレルギー性疾患の根治的治療法として行われ,高い有効性が報告されている。小児のアレルギー性鼻炎に対する減感作療法の報告は臨床面の病像に関するものが多く,治療成績の報告は少ない。しかし,その成績はいずれも80〜90%と高い有効率が報告されている3〜5)。
今回,われわれは室内塵(以下HDと略す)を主抗原とする小児アレルギー性鼻炎に特異的減感作療法を行い,治療効果に関与する因子を検討した。今回検討した因子は,1)治療開始時の年齢,2)治療開始前の重症度,3)気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患合併の有無4)治療開始前の血清IgE値の4因子である。われわれは各因子別に減感作療法の有効率および無効率を検討し,治療前に本治療法の有効性を推定できるか否かを検討した。
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