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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻5号

1994年05月発行

原著

人工内耳挿入に関連する蝸牛の解剖

著者: 星野知之1 岩崎聡1 浅井美洋1 大川靖弘1

所属機関: 1浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.399 - P.402

文献概要

 はじめに
 人工内耳というと,今日わが国ではコクレア社製の22チャンネル型のものが,使用される機器の全体を占めている。この場合電極は,正円窓またはその近くの基底回転鼓室階に開窓して蝸牛に挿入される1)。挿入による機械的操作でらせん靱帯の圧迫や断裂,結合組織の増生,骨らせん板の破壊や骨増生などがおこることが知られている2,3)。挿入後長期の例は報告されていないが,これまでの症例では,らせん靱帯の損傷や骨の増生はらせん神経節細胞の明確な減少をきたしていないが2,3),以前よりらせん器の破壊は神経の樹状突起やらせん神経節細胞の減少をきたすといわれている4)
 電極挿入に際しては,内耳の損傷をできるだけ少なく,しかも電極を抵抗なく深く挿入したい。この報告では挿入部位となる正円窓付近から蝸牛基底回転の解剖,基底回転と顔面神経迷路部の関係について,主として実体顕微鏡下に観察した結果を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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